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12歳~18歳 思春期のモンテッソーリ国際資格について

Yu Hirai

 まだまだ寒い日が続いていますが、子どもたちはお仕事を頑張っています。暖かくなったら、外のお仕事も再開できればと考えています。


 さて、昨年8月からシドニーにあるSydney Montessori Training CentreにてAMIの12歳~18歳の国際ディプロマ資格の勉強をしています。8月からオンライン授業が開催されていたのですが、1月頭から3週間ほど、対面授業のためシドニーに研修に行って参りました。オンライン授業では、主にモンテッソーリ教育の理論 発達の四段階、敏感期などの勉強、それぞれの年齢ごとの特徴など、私にとっては、以前別のディプロマコースで勉強していたものを、改めて勉強し直す状況だったのですが、対面授業では、いよいよ12歳以降の教育がどのように進んでいくか、実践も含め勉強をするので、行く前からとても楽しみにしていました。

 ディプロマコースには、オーストラリアを始め、アメリカ、ニュージーランド、中国、フィリピン、フランスなど世界各地からクラスメートが集まり、コースは英語で行われます。ズームで何度も顔合わせしていた仲間ではありましたが、実際に会ってみて、初めて人となりがよく分かり、ズームの限界を感じると同時に、実際に会うことの大切さを感じました。


 12歳~18歳のモンテッソーリの学校の多くが、農場などで寮生活をするスタイルのため、私達学生も、シドニーの郊外で、農場などを併設する研修施設でドミトリー生活を行いました。寮は3つに分かれ、まず初めに皆でresidential meetingを行い、それぞれの寮でルールや必要な物などについて話し合います。これも、モンテッソーリの学校では、話し合い皆で決めていくということを大切にしているため、基本的には先生方は学生の話し合いを見守る形になります。このスタイルは、ディスカッションやグループワーク全てに適応され、思春期の子ども達の自立心や自己表現を広げる上で、大変有効だと感じました。


 授業は大体朝8時半~15時ぐらいまであり、対面授業、ディスカッション、グループワーク、農場での仕事などを行います。その時々によって、グループに分かれたり、個別に活動したりして、1日の最後は皆でそれぞれ担当に分かれ、清掃を行います。これはモンテッソーリ教育が環境を整えることを大切にしているためで、自分達で使ったところをきれいにします。夜は、交代制で、Lead chefとヘルプの人2名の3人ずつチームに分かれ、夕飯を作りました。私は、到着して、2日目の日にリードシェフになり、どうしようかと悩んでいたのですが、一人ずつ巻きすを日本から用意し、「手巻き寿司」を作り、皆に喜んでもらいました。


 特に、面白いと感じたものは、数学のセミナーです。学生時代数学に苦手意識を持っていたので、どうなることかひやひやしていたのですが、それぞれの問題に関して、自分のアプローチ法を発表し合い、答えにたどり着くまでに、幾通りもの考え方に触れることが出来、数学が初めて面白いと感じました。


 授業の内容をまとめる宿題や、レポートなどが週ごとに出されるので、私も夕方授業が終わると、夕飯の18時半まで勉強、また夕飯が終わり大体22時、23時まで勉強し、朝5時頃に起きて、次の日のディスカッションのために本を読んだり、レポートを書いたりの生活でした。寮のリビングで夜友達と「今日何時まで勉強する?」と話し合うことが日課で、寮からクラスルームまでの短い距離の間に、音楽を聞く事だけが唯一の楽しみといった生活でした。


 日本にいる間は課題図書も、英語で読んだ後、また分からないところは単語を調べて、読み直すことをしていたのですが、それではとても間に合わないので、グーグル翻訳を駆使し、写真を撮って日本語でざっと読んだ後、気になるところを線を引いて、英語で読み直すことをしていました。レポートも全て英語で書かなくてはいけないのですが、普段は英語で書いた後、自分の英語の意味が通っているか、日本語に訳してチェックしているのですが、どうしても時間がないときは、日本語で書いたものを、そのまま翻訳したりしていました。


 モンテッソーリでの思春期教育は、自己表現(Self expression)を大切にしており、自分自身を認識し、社会と関わる上で、大切な要素と考えられています。ディプロマコースでも、チームでのプレゼンテーションやディスカッション、またドラマやアートの授業などを通して、自分を表現する機会が多くありました。日本人は、言葉なしに、その場の空気を読んだり、阿吽の呼吸で、他人の気持ちを察するということに長けていると思いますが、ディプロマコースでは、様々な国籍の人がいますので、言葉を使って、人とコミュニケーションをすることの大切さを学びました。


 グループ発表の写真です。FarmグループとHistoryグループに分かれ、発表をしました。私はFarmグループの中で、Plantを担当し、オーストラリア特有の植物などを友達とペアで調べました。



Study and Work of the Farmグループのボード。
Study and Work of the Farmグループのボード。

 ランタナとブラックナイトシェード、コンフリーについて調べました。ランタナは、日本でも、生態系に被害を及ぼす恐れがある外来生物として、環境省が作成する「生態系被害防止外来種リスト」に掲載されています。


 Historyグループの発表。タイムラインを見ています。ストーリー仕立てで、施設がある土地の歴史について、紹介してくれました。アボリジニーのことについて、知ることが出来て、大変興味深かったです。



 寮の風景。3つのコテージがあり、それぞれにキッチンやリビングがついており、夜はこのリビングで勉強をしていました。


手巻き寿司ディナーの様子。チームのみんなと仲の良い友達が手伝ってくれて、何とか形になりました。有難うございました!


Dinnerの様子。食を通して、色々な国の文化に触れることが出来、楽しかったです。

 日本で思春期のコースがある学校は、1校だけですが、海外では国の認可が下りているモンテッソーリスクールが多くあります。こちらもぜひ機会があれば、見学に行ければと思っています。

 









 

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